第24回:ベーシストにお薦めの映画紹介vol.19 『コフィー』の巻

ベース大好き! by 板谷直樹 2015年3月12日

今回、板谷直樹さんがオススメするのは、70年代の“ブラック・ムービー”の代表作とも言える作品。ロイ・エアーズが音楽を担当していることでも、注目の1作です。ベーシストがどのように観たのか、ぜひチェックしてください!

1970年代に生まれた映画ジャンルに“ブラックスプロイテーション”なるものがあります。これは、アメリカの黒人を対象に作られたB級低予算映画の総称で、内容的には黒人が主人公、そして白人キャラクターはそれより下で中傷的な位置になることが多く、黒人特有の髪型やファッション、音楽なども効果的に盛り込まれている等々、といった特徴があります。

要するに黒人が作った黒人のための映画、日本では“ブラック・ムービー”と呼
ばれるのことの方が多いですね。今回ご紹介する『コフィー』(1973年、アメリカ作品)はそのうちの代表的な1本と言える作品で、バイオレンスとエロス、当時のファッションやファンク・ミュージックが強調された内容になっています。

アメリカでの公開は1973年ですが、当時日本では未公開。その後、クエンティン・タランティーノが絶賛したことにより再評価もあったのでしょうか? 24年も後の1997年に公開されています。

アメリカ70年代の空気感がぎっしり!

さて、あらすじは看護婦コフィー(パム・グリア)が麻薬中毒に冒された妹のために、単身麻薬組織に復讐していくというバイオレンス・アクション。

と言ってもB級映画らしくツッコミ所満載の展開。冒頭はいきなりお色気シーンかと思いきや、そこは復讐に燃えるコフィー。そのショットガン一体どこから出してきたの? と思う暇もなく、大物ディーラーを始末し、子分にも薬を過剰に打って中毒にしてしまいます。コフィー恐るべし! 展開が速いし法律なんて関係ありません。

そんな中親友の警官が組織に買収されかけ、それを断ったがために瀕死の重傷を負うことに。さらに復讐心に火が点いたコフィーは、高級娼婦になりすまし、麻薬組織に潜入していくのですが……。

テンポの速い展開は観ていて飽きず、良い意味でテレビドラマっぽいつくり。セットの感じも低予算さが出ていますが、そんなことは100歩譲って鑑賞しましょう。この映画の楽しみはスクリーンに収められている70年代の空気感、当時のディスコの様子や無駄に大きなアメ車、登場人物のまるでかつらのようなアフロヘアーやファッションでしょう。

加えてバイオレンス以外ではやたらとお色気シーンがあるのも本作の特徴。娼婦達と喧嘩をするシーンがありますが、取っ組み合いの中でコフィーはなぜか一人一人の服を律儀に破いて胸をポロリさせていきます。まるで野生の猛獣(笑)、パム・グリアの体当たり演技に拍手ですね。

彼女の経歴を調べると映画出演は1971年から。長身でスタイルのよさ、お色気アクションをこなす度胸で本作が注目を集め人気を博しました。80年代には低迷しましたが、彼女を観て育った世代が業界で活躍するようになり、再び表舞台へ引き上げることにより90年代後半から人気が再燃しているようです。代表的な出演作品ではティム・バートンの『マーズ・アタック!』やクエンティン・タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』がありますね。

ロイ・エアーズによるカッコイイ音楽にも注目

そして音楽には要注目、現代のクラブ・シーンでも人気の高いロイ・エアーズが担当しています。グルーヴ感溢れるファンク、メロウなバラードと全編通じてかなりカッコイイので、サントラを手に入れて聴くだけでも十分楽しめるはず。

譜面は冒頭3分半ほど過ぎた頃に登場する、クレジットタイトル中に流れるリフのイメージです。B♭m9→G♭M9の動きはよくありますが、その後の進行が全音階で下行上行する独特なサウンドになっていて、しっかり耳に残る印象です。ベースラインを弾きながら確かめてみましょう。

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板谷直樹(いたや なおき)

板谷直樹

札幌市出身 バークリー音楽大学卒。R&B、AOR、ポップに親しみ15歳よりベースをはじめ、当時からセッション系ミュージシャンに憧れて様々なジャンルを吸収しようと試みた。札幌での活動を経て渡米し、本場のジャズやラテンミュージックに触れ多大な影響を受けている。「最先端のグルーヴとメロディックなソロ」を追求し、アーティストのライブやレコーディングも多数。著書『ベース・ラインで迷わない本』『一生使えるベース基礎トレ本』『一生使えるベース基礎トレ本 スラップ強化編』『一生使えるアドリブ基礎トレ本 ベース編』『ベーシスト 究極の選択60』(すべて小社刊)



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